複製絵画を購入するときの価格について

複製絵画の場合、元が同じ作品なのですから、何処の画商でも同じお値段であるべきように感じられるかもしれません。ですが、ひとくちに複製と言っても、一般的なオフセット印刷のポスターとジークレー印刷では、再現の精度も作品の耐久年数もまるで異なりますので、単純比較はできません。

では、同じ作品で、同じサイズで、同じ印刷技法を用い、同じように遺族のサインが入っている(遺族も納得したクォリティである)場合でも、値段が違うのはどういう理由でしょうか? それは、絵画の値段以外に、かかったコストの違いです。絵画も他の商品と同様、その価格には販売にいたるまでのコストが含まれています。間に通す流通が多ければ多いほど、手数料が高くなり、販売時の価格も高くせざるを得ません。

また、絵画入手経路以外のコストも考えねばなりません。たとえば、都心の一等地に画廊を構え、大勢のスタッフを抱えたお店と、地方に倉庫だけを持ち、少人数スタッフによる通販メインのお店の場合、かかる土地代・人件費はかなり違うものになるでしょう。

どの売り方にもメリット・デメリットがあるので、どちらがいいと単純比較はできませんが、このように絵画そのもの以外の価格が値段に含まれていることを、価格比較の際には思いだすべきでしょう。