西洋絵画の歴史


絵画の制作に大きな影響を与えた西洋絵画の時代背景

作品には作家の思想が強く反映される。
そして、作家の思想は作家が生きた時代が色濃く反映される。
今回はそんな作家たちが生きた時代を知ることで画家と時代の関係を感じていきたい。

【15〜16世紀】ルネサンスという大変革

中世ヨーロッパは、王侯貴族による封建社会やキリスト教の厳格な戒律に縛られた時代だった。
画家は教会の装飾や聖書の挿絵を描くだけの職人として存在していた。
15世紀に入ると北方のフランドルでは油彩技法による写実的な絵画が誕生したが、西洋絵画の本格的な発展は、同世紀に商工業都市フィレンツェにおけるルネサンス運動から始まる。
これは人間精神の自由を謳歌したギリシア・ローマの古典文化の復活を目指したもので、自然科学の進展と連動し、レオナルド・ダ・ヴィンチなど天才たちによって新しい絵画表現が生まれた。
子の潮流は商業都市ヴェネチアや、フランス、ドイツ、フランドルなど各地に波及した。
優れた画家は工房を構え、多くの弟子との共同作業で、新しい美を求める王侯貴族や協会や富裕市民の注文に応じていた。